“三つ子の魂は100まで”や“三歳神話”という言葉を耳にしたことがある方も多いでしょう。確かに、3歳までの教育は重要ですが、それだけで子の一生が決まるわけではありません。人間は子どもの頃だけでなく、大人になった後も一生を通じて学び続ける生き物です。
そのため、子育ては長期的視点で考えることが重要です。この視点を持つことで、親も子も日々の成果に左右されることなく、その時々の成長を楽しめるようになります。
この問題は実は子ども以上に親自身にとって重要なことかもしれません。親子関係が良好なご家庭では、たとえ何かの課題が起こっても、前向きに取り組める基盤が定着しています。そのためには子どもが生まれた時点からの関わり方が大きな影響を与えます。
生まれてまもなく“魔の2歳児”や“悪魔の3歳児”と呼ばれる時期を迎えるまでの数年間は、親子関係の基盤を作る非常に重要な時期です。この期間に親子の関係を深めるためには一緒に遊ぶこと、日々の笑顔やスキンシップがかかせません。こうした基盤をつくることが幼児期の最大の目的です。親は子どもにより良い刺激を与えたいと考えることはそれからでも決して遅くはありません。無理せず、子どもの個性や興味を観察しそれに合った方法で働きかけることが重要です。
子どもは親の細胞分裂から生まれた、元は一つの存在であったことを忘れてはなりません。そのため年齢にこだわらず、長期的な視野を持って愛情深い環境を整えることが重要です。親が成長すれば子もまた成長します。子どもと一緒に成長する関係を忘れないようにしたいものです。”十で神童、十五で才子、二十歳過ぎれば只の人”と言う言葉がありますが、子どもが平凡にならずに長期的に学び続けるためには身近に一緒になって学び合う仲間や同士の存在が必要です。生まれたときから一緒にいる親がそういった存在になれれば、子の人生は順風満帆と言えるでしょう。