~簡単な問題しかやらない我が子に焦るあなたへ。育てるべきは「IQ」より「グリット」~

「簡単なプリントは喜んでやるけれど、少し難しくなるとすぐに投げ出してしまう」
「『わからない!』と泣き叫んで、テキストを破いてしまった」
順調に進んでいたはずの家庭学習で、突然訪れるこの壁。
親としては、「ここで諦め癖をつけさせてはいけない」と焦ったり、「なんでこんな簡単なことが我慢できないの」とイライラしたりしてしまうものです。
ピグマリオン学院の教室現場でも、こうした光景は日常茶飯事です。
今日は、お子様が学習の壁にぶつかって拒否反応を起こした時、親御さんがどう心を整え、どう接すれば良いのか。実際に寄せられた相談をもとにお話しします。
## 「難しい=嫌だ」は、正常な反応です
「難しいものは嫌がり、簡単なものばかりやりたがります」
このお悩みに対する答えは、「それが普通ですよ、安心してください」です。
もちろん、難しいものが楽しいと思えるようになっていくことが大事ですが、最初からそう思える子ばかりではありません。
大人だって、難解な書類を読むよりは、気楽な動画を見ている方が脳へのストレスは軽いですよね。脳は本能的に負荷を避けようとするものです。
ですから、まずお子様の「嫌だ」という感情を否定しないでください。「なんでできないの!」とプレッシャーをかければかけるほど、子供は「自分はダメなんだ」と自信を失い、ますます難しい問題から逃げるようになります。
大切なのは、「今、この場で解けること」ではありません。
将来、本当に困難な壁にぶつかった時に、「どう乗り越えようか」と考えられる思考の土台を作ることです。幼児期はその練習段階ですから、今は上手にできなくても焦る必要は全くありません。
## 親は「北風」ではなく「太陽」になろう
では、どうすれば難しい問題に向き合えるようになるのでしょうか。
ポイントは、親御さんの「演技力」です。
子供が「難しい!」と投げ出した時、親が眉間にしわを寄せてため息をつくと、子供はそれを敏感に察知します。
ここは一つ、女優・俳優になったつもりで、ポジティブな雰囲気を作ってみてください。
「うわー、これ難しいね!先生、手強い問題出してきたね~」
「お母さんもわかんないな。一緒に考えてみようか?」
子供が向き合っている「難問」に対して、親が「子どもの味方」になって一緒に立ち向かう構図を作ります。
そして、もし少しでも考えようとする姿勢が見えたら、結果が間違っていたとしても、
「よくそこまで考えたね!」「なるほど、そういう見方も面白いね!」
と、「考えたプロセス」を全力で承認してあげてください。
もちろんその為には親御さん側の心のゆとりが必要になりますが、そのために知っておいてほしいことがあります。
## 育てるべきはIQではなく「グリット(やり抜く力)」

近年、教育界で注目されている「グリット(Grit)」という言葉をご存知でしょうか?
日本語では「やり抜く力」「粘り強さ」と訳されます。
実は、将来の社会的成功や学業成就には、生まれ持ったIQの高さよりも、この「グリット」の有無が大きく関わっているという研究結果があります。
ピグマリオンの思考力教材は、一見すると難解で、すぐに解けないように作られています。
これは、意地悪をしているのではなく、「試行錯誤する時間」を意図的に作り出しているのです。
「わからない」と唸っている時間こそが、脳が汗をかき、グリットが育っている瞬間です。
簡単に解ける問題ばかりやっていては、この力は育ちません。
ですから、お子さんが難しい問題に直面したら、「ア、今グリットが鍛えられているな」と心の中でガッツポーズをしてください。
心のゆとりは親御さん側にとってお子さまがどのように映っているかが影響します。
できていないことを受け入れられなかったり、そこばかりに意識が行くときに親子関係が悪化したり、お子さまのことが悪く映ったりして、悪循環になっていきます。
## 最後に:学習のために「親子の絆」を犠牲にしないで

最後に、最も大切なことをお伝えします。
幼児期から親子一緒に教育に取り組む最大のメリットは、スキルの習得だけではなく「良好な親子関係を築くこと」にあります。
プリントを1枚進めるために、毎日怒鳴り合いになり、子供が親の顔色をうかがうようになってしまっては本末転倒です。
もし、お互いにストレスが限界に達したら、その日の学習は潔くやめてしまいましょう。
「今日はここまで!難しかったのによく頑張ろうとしたね。おやつにしよう!」
そうやって切り上げて、最後は笑顔で終わること。
「お母さん(お父さん)は、どんな時でも自分の味方だ」という安心感(安全基地)があって初めて、子供は難しい外の世界への挑戦意欲を持つことができるのです。
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