2024年10月09日

【ブログ】点描写②

点描写の大切さについて。
幼児期に指先の調整能力と合わせて高めたい見る力ですが、その教材の筆頭が点描写です。

点描写ができない子は何も見ていない可能性が高いです。見る力は対象に焦点を合わせることや、形や位置を捉えること、平面を立体的に捉えること等、多岐にわたります。見る力が育っていない子は外界の刺激を十分に吸収できません。点図形や点つなぎ等、様々な名前で同様の問題が見られますが「点描写」というネーミングは実はピグマリオン発祥なんです。ある程度認知されているため取り組まれる方も多いですが、それだけに「できない」というお声も多く聞きます。
例えば、以下の点描写のプリントの赤い点に焦点を合わせてやろうとしても形はぼんやりとしていますし、位置もはっきりしませんね。

お子さまはお手本を見ていないかもしれませんし、手と目が協応していなければ、自分が描いているところもきちんと見えていないかもしれません。そのように見えている子に対して、「きちんと見て」と声を掛けても、まだ見る力が育っていないので見ることができません。対象に焦点を合わせる力も生まれたときから身に付いているものではありません。そのことを理解しておかなければ、点描写ができないときにそればかりに終始して、お子さま自身が問題を見るのも嫌、となっては困りものです。
思考の樹
ピグマリオンではまず「指先、図形、点描写」の3つの能力を高めることを最重要課題としていますが、それぞれ関係しあって成長していきますので、点描写ができない場合は、指先や図形にも意識を向けてみてください。パズル遊びで形の同定も見えていなければ、そもそも線も正しく捉えられていません。子どもには見えるものには意識を向けますが、見えないものには意識を向けません。赤ちゃんが「いないいないばあ」をしたときに本当にいなくなったと感じるがいるのもそのためです。点描写に限りませんが、線だけでなく線がないところもとらえることができて初めて、位置が定まります。形の同定や位置を捉える教材は多くありますが、普段の生活や家の中でも探してみると見つけることができます。見えていない所をイメージできるというのは、図形や空間的な能力のみならず、子どもの想像力や創造力、人間性にとっても密接に関係しており、高めておきたい能力と言えるでしょう。